AYA UCHIDA Complete LIVE 〜COLORS〜 @日本武道館

最初に内田彩のソロでのライブを見たのは一年半くらい前のアップルナイト。そこからイベント被りで行けなかったツアーを除けば1st、2ndと見てきて、ずっと思っていたことがあって。それは、μ'sであれだけ歌って踊って揺るがないパフォーマンスを見せられる人が、どうしてソロになるとこんなにふにゃふにゃした感じになってしまうのかと。MCならばそれも内田さんの味なのですけど、ライブパフォーマンスもそんな感じだと、悪くはないけれどしっかり地に足がついてないような、そんなもどかしさがあるというか。
たぶん、キャラクターが入るとそれによってしっかり足場が固まるけれど、ソロデビューは嫌だったと明言している状態で本人としてステージに立っても、足場はそりゃあグラグラだったのでしょう。だから、内田彩役の内田彩さんの確立が急務なのではなんて思ったりもしていたんですけど、そんなもの必要なかったんだと。デビュー以降4枚のアルバムと数多くのライブを重ねた生き急ぐような活動の中で、内田彩内田彩として武道館のステージに一人で立つことができる、それだけのものを本人とスタッフとファンで積み重ねてきたのだと、そう思い知らされたライブでした。良くなった。本当に良くなった。もっとできるはずなんだと感じていた期待値を超えて、バンドを従えて歌う姿はぐっとくるものがありました。
持ち歌34曲を全曲演るという武道館ライブ。内田さんなら34曲やるといったらメドレーとかではなくやるのだろうと思った通りに、アンコールなしの真っ向勝負でやりきった3時間超。まずはバンド無しで小道具を取り入れた演出の序盤から、広い空間を1人ステージの上でしっかり掌握している感じがして成長ぶりにびっくり。
そしてバンドが入ってからの『ONE WAY』『afraid...』という格好いい曲で攻めていくところも非常に良かったし、そこからデジポップのコンセプト盤だった『Sweet Tears』の曲をバンドアレンジで連発するのには驚きました。『リードを外して』のイントロでギターがギュインギュインいっていたのはちょっと凄かった。それから『ピンク・マゼンダ』のバンドアレンジはもうこれを聞けただけでも武道館行って良かったなと。
そしてあれとあれとあれがまだ残ってるな……という終盤は本当に凄い盛り上がりでした。『キリステロ』のイントロからのシンガロングで会場が爆発したみたいになって、ああこの人はこんなライブができるようになったんだと感極まるものが。ギター、ベース、ギターと4人並んで歌う姿に、ここまで追いかけて良かったなと。
そんな感じで、今時点のアーティスト内田彩というものが全て表現されたライブだったと思います。歌の上手さというよりも感情の乗せ方が特徴的で、バックグラウンドとして声優、役者としての内田彩というものを感じられるのが印象的でした。あとはバンドメンバーが楽しそうだったのも。1stツアーも終えて、凄く良いチームになってきているのだなと。
今まで何回か見てきて、正直ソロはこういう感じならもう十分満足かなと思っていたのですが、こんなもの見せられたらまだまだ追いかけなくちゃならないでしょうと思ったライブ。内田彩内田彩としてここまで来て、じゃあこの先どこまで行けるか、それを見られることがとても楽しみです。