NEW GAME! 4、5 / 得能正太郎

相変わらずかわいいと百合とお仕事でできている4コマですが、巻を重ねるごとに面白くなってきている気がします。特にお仕事部分がすごくキラキラしていて……そうか仕事ってそういうものか………そうだよなみたいな気分になれるので、特に夢もなく就職して仕事が嫌いな全ての人は読んで眩しくて直視できないこの気持ちを味わえばいいと思う。
そしてそれは迷いながらも青葉が自分の夢を仕事に選んだというところがそもそもにあるんだなと、描き下ろしスピンオフで青葉やねねの高校時代を描いた5巻を読んで思いました。ゲームにハマって、ゲームデザイナーを夢見て、悩んだ末に美大という可能性を蹴ってまで進んだゲーム会社就職という道。それは簡単に選べないリスクのある道でもあったはずで。
少しずつでも夢にむかって進んでいきたいと決めた彼女だからあんなに真っ直ぐに仕事に取り組めるし、その彼女の努力に対してしっかりと返すことができる環境がイーグルジャンプという会社にはあった。それは都合の良すぎるくらい幸せな出会いだとも思いますが、ただ甘やかされている訳ではないし、これがどちらが欠けても生まれない理想的な仕事の形なのかなあと思ったりも。夢を追って足を踏み入れた世界で一緒に目標に向かえる同僚がいて、ずっと憧れていた上司の背中を追いかけられて、辛いことや壁に当たることがあっても一歩ずつの成功を噛みしめて前を向いて成長していけるって、それはもう。
キャラクターデザイナーを任されながら、外向けのキービジュアルは名の売れたコウにするという会社の判断というに当たって、たとえ出来レースであってもコンペを求めて、そこで自分が悩んで同僚に支えられて仕上げた作品とコウの仕上げた作品のレベルの差に悔し涙するとかなんだこれ眩しいぞと……。他にも、リーダーを任せられたコミュ力0なひふみの頑張りとか、デバッグバイト経験から自分でゲームを作ろうとしてその道を仕事に選ぶことを決めたねねとか、なんでもいきなり上手くはいかないけれどちょっとずつ成長して進んでいく姿はひたすらキラキラとしていて、本当にこの作品は素敵なお仕事ものになっていると思います。
そして作中が輝けば輝くほど、どうして世界はこんなふうにキラキラしていないんだろうと思うところが……あ、いや、はい。