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上坂すみれのひとり相撲2016 〜サイケデリック巡業〜 @ 両国国技館

感想 ライブ/イベント

生産! 団結! 半抑圧!! ура!!!
散々ライブに行きまくった2016年ですが、年の瀬にまたとんでもない怪演に出会ってしまったという気分でいっぱいです。とりあえずすみぺの次の大きなライブは絶対に行こうと思ったライブでした。いや、これは面白い。
毎度すみぺのイベントレポの意味不明さに言及する度に、同志の人々からありのままだと言われて頭に疑問符を浮かべていた訳ですが、うん、そのまんま書いたらああなるんですねよく分かった。とにもかくにも、見たことがない人やフェスでしかすみぺを見たことがない人は、欠片でも興味があるなら単独現場足を運ぶことをオススメします。見なきゃわからないし決して見て損はないですから。
まずひとり相撲というライブタイトルがおかしいのは置いておいて、始まったと思ったら長机に実況と解説が座っていて見どころのコメントを始めるんですよ。配置的にはプロレスのあれ。というかプロレスですよね、すみぺvsプロデューサーのアングルの入れ方が完全に。そして楽屋中継から煽りVTR、明けるとリングアナがセンターステージにいて呼び込みと共にレスラー引き連れたすみぺがズブロッカ片手に花道から登場。さらにプロデューサーと小競り合いを繰り広げて伏線回収。
まあ、ひとまず自分は一体何を見に来たのかと我が身を疑いますよね。まだ一曲も歌ってないですからね、ここまで。そもそも若手女性声優のライブで繰り広げられる光景じゃないですよね。この辺でライブを見に来たという先入観は完全に捨てましたが、ここからはしばらくきっちりとライブ。楽曲のサブカル路線を走りながらのメジャー感が独特で面白いです。エレガと人間椅子の曲が連続して披露されるライブってなんだ。
そんなこんなで終盤、ようやく慣れてきて落ち着きを取り戻したと思ったところで、国技館に響き渡る拍子木の音。なんか聞いたことのある声のアナウンスが「西方土俵入りであります」と。そこそこ良い体格をされたどすこいダンサーズの皆さまが、センターステージを土俵に見立てて土俵入りをはじめました。まわし締めて一人ずつ土俵に上がって名前を呼ばれて丸く並んで最後に振りがあるあれです。NHKの相撲中継で十両の取り組みが終わった後に見られるガチのやつです。女性声優のライブを見に来たはずが、太ったおっさんたちが国技館でなんちゃって土俵入りをする様を見ていました。……まるで意味がわからない。
そんなこともありつつ、エアリアルダンサーが宙を舞ったり、ダンサーズの衣装は何度も変わるし豪華だし、炎は上がるし、どすこいダンサーズは大量にいるしで、演出は全体通してめっちゃ豪華でした。……豪華だけど信じられない絵面が眼前に広がるのあれなんですかね。アンコールのエアリアルダンサーが宙を舞いの、太ももセクシー衣装+ライブTシャツなダンサーたちが舞い踊りの、大量のどすこいダンサーズが相撲の動作を取り入れた動きを見せつつの、ミニスカサンタ風衣装のすみペが真ん中にいての、会場全体で「むろみーーー!!!」と叫ぶあの空間はマジで異空間だった。あとアンコールのコールが「取り直し!」だった。初めてだよそんなの。
アニゲラというか杉田智和プロデュースの転換中のVTRにしても、時事ネタからオタクネタ、他の声優いじりネタまで盛りだくさんのすみぺのMCにしても、とにかく己のセンスを信じてこれが行く道なんだよと見せつけるような感じのライブだったと思います。上坂すみれという人は歌が上手い人だとは思っていなかったし、曲もそんなに好きな訳ではなかったのだけど、これはそういう問題のものではない。ついでに言えば声優であることすら関係ない。共産趣味の中野系サブカルがバックボーンでオタクシーンの最前線を走り内向的後ろ向きだけどこんなステージに立っちゃう独自のキャラクターを持って、上坂すみれとそのプロデュースチームが作りあげた一つの表現なんだろうなと思います。
メジャーでサブカルでオタクで文化系でフィジカル系で豪華だけどどこかアングラで、色々なものがごっちゃになった上で本人のキャラまで含めて奇跡的なバランスで成り立っているこの感じ。変人たちが真っ向勝負で作り上げる本気の茶番っていうか、そういうものが両国国技館という割と大きな会場でお祭り感のある一大エンターテインメントとして昇華されているのは、素直に凄いと感心しました。
あとすみぺがですね、可愛いですね、うん。改めて単純に美人だっていうのもありますが、凄く近いんだけど一線は引いた感じのファンへの距離感の取り方とか、後ろ向きなんだけど前には進んでる感じとか、ああこれは推す人が出る訳だなと。最後の最後の「本当は可愛いって言われたい!」まで、なんというかこう、文化系的なというか、いい意味でオタサーの姫の一番強いやつ的な魅力に溢れておりました。