TVアニメ『魔法少女育成計画』キャラクターソングアルバム「Musica Magica」
- アーティスト: オムニバス,森の音楽家クラムベリー(緒方恵美),ヒゲドライバー,baker,篠崎あやと,yasushi
- 出版社/メーカー: FlyingDog
- 発売日: 2016/11/23
- メディア: CD
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声優という職業の魅力と聞かれた時に、人間じゃない役が演じられたり、年齢にとらわれずに演技ができることと挙げているのをよく聞くのですが、こうやって本人出演のイベントでも10代の新人から50代の大ベテランまでが魔法少女という全く同じ土俵に上がって、全く同じ条件でライブをするというのを見ると、声優界まじファンタジーと思わざるをえません。
ただ、「老若男女誰でも魔法少女になれる」が魔法少女育成計画の大きな設定なので、原作にとても忠実という気もしますが!
そんな訳でまほいくキャラソンライブ。キャラソンCDがとても良かったので見に行ったのですが、ライブはもちろん、収録がないからかフリーダムすぎるMCも大変面白い良いイベントでした。
まほいくキャラソンは単純にキャラクターが歌っている曲というだけでなくて、非常に物語性が強い、これ自体がキャラクターのことを表現している曲になっているのが良くて、それだけに実際にキャストが歌と振り付けでそれを表現するのを見るのが面白いなと。特にリップルとトップスピードや、ルーラとスイムスイムのように関係の深いキャラクターの組み合わせになっている曲はそう感じます。
そして曲としてはスノーホワイトとラ・ピュセルの「ユメトユメ」が、やはりまほいくを一番表現している曲になっていてグッと来るものが。ラ・ピュセルと一緒に歌う曲ですが、無印以降のシリーズ通じたスノーホワイトのテーマにもなっている曲だと思います。
今でもこっそり夢見てる 2人で信じた夢のため
負けるわけに いかないから
なんて歌詞、まさにあの修羅道を行くスノーホワイトさんを支えるものであり、呪縛しているものだよなあと、改めて。しかもそれをもう失ったラ・ピュセルとともに歌うというのがなんとも。
あとは「Forget me Not...」が、全編スノーホワイトへの陶酔と妄執で溢れた、もう最高にハードゴア・アリスって曲で最高でした。
MCの方は下手に喋れる声優勢揃いという感じなので、もう最初の組からひどいひどい。話しだすとすぐにウケを狙う方に趣旨から外れていって、最終的にトーク切り上げてくださいと指示をされてるのは面白かったです。中身は色々ありすぎたので割愛しますが、最後の死んだ順番に並んでの挨拶まで、自由すぎるトークの応酬に死ぬほど笑わせてもらいました。若手の暴走を上回っていくベテランの姿に、芸能界で何十年生きてきた人はちょっと存在の格が違うな……と思ったり。
とにかく、まさかトークがこんなに面白いイベントだとは思わなかったです。あと井上喜久子17歳に生で「おいおい」できる機会がこんな所で巡ってくるなんてと地味に感動。あと初めて見た新井里美から新井里美の声が出ていたのも何故か感動しました。
あと、このイベント、随所に謎の熱意が感じられて凄いと思いました。
アニメ化→キャラソン発売→アニメのイベントみたいな普通の流れではなくて、とにかくこの16人をキャスティングしたからには全員揃えてライブがしたいんだという情熱で生まれたような。キャラソンライブという形態もあってか、原作に寄せたものではなく、キャストによるライブという感じでしたし。
そもそも、井上喜久子や緒方恵美、さらにはライブで大舞台は初めてだという新井里美から、今売れっ子の水瀬いのり、早見沙織までのスケジュールを押さえ、キャラソンシリーズを売り出すんじゃなくてライブをするために1枚のアルバムで発売し、この日のためだけにやたらと力の入った衣装を作ってと、色々何かおかしい。
なんというか、こう、売れたからイベントやるとか、売るためにイベントをやるとかでなくて、とにかくやりたかったことを多少チケットが高くなったとしてもクオリティ上げてやりきるんだという熱みたいなのが見えるの、好きです。良いもの見たなと、満足度の高いイベントでした。