劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ

 

ワルキューレは裏切らない

ワルキューレは裏切らない

 

 マクロスΔTVシリーズは、誰の物語でどこが盛り上がりどころかつかめないままふわっと進んで、これで終わり? っていうところで終わってしまった感じがあったのです。それで総集編ならどうなのかなあと思いつつも、3rdライブを見て興行収入に貢献しなければと見に行ったのですが、劇場版、めちゃくちゃ面白かったです。

とにかく、TVシリーズからフォーカスを完全にワルキューレに絞ったことで、ストーリーの軸がしっかりとして、何を描きたいかが非常にわかりやすくなっているのが良いです。あと劇場版で追加変更されたストーリーも、全てがワルキューレを中心として整理されているのでとっても見通しが良い感じ。というか銀河をかけた戦争が起きているのに、命に変えても推しを守るオタクと、無理やり自分たちの好きな曲を歌わせようとするオタクの争いみたいになってて、敵も味方もワルキューレ大好きだなって。

そう、多分これ、ワルキューレ大好き、ワルキューレやべえって映画なんです。2ndライブを受けて何も予定がないところから作られたというだけあって、ワルキューレの楽曲が流れまくり、ワルキューレとそのメンバーたちの物語があり、ワルキューレが歌って闘って恋もする。あとその背景でめっちゃ大きい戦争とかしてる、みたいな。

その分、ハヤテは父親のエピソードも全カットで完全にフレイアの相手役になっていて、ミラージュに至ってはもはや添えるだけになっているので、そっちを主人公だと思って見ていた人には不満が残るかもしれませんが、ワルキューレが好きなら最高の映画だと思います。3rdライブでJUNNAがMCでああいうこと言って、ああいうパフォーマンスしたの、映画の美雲を見てなるほどって思いました。

あと、全体としては2クールのストーリーを120分に詰める分かなりダイジェスト感もあるのですが、その圧縮ぶりが逆に勢いにつながっている感じがあります。特に後半に向かってのクライマックスの連発、王道お約束の連発、そしてライブ! ライブ! 戦闘! ライブ! の高濃度っぷりがたまらなかったです。一度だけの恋なら~Absolute5~ワルキューレは裏切らない~Absolute5の流れ、歌詞と物語が完璧なシンクロを見せながら、あの映像でこの歌が映画館の音響で迫ってくるんだからそりゃあテンション上がるでしょって。

この最近のエンタメの流行り的な、勢いとテンションで全てを押し切っていく感じ、本当に好きなやつで最高でした。シンフォギアとかキンプリとか好きな人は是非。あと例によってガルパン、ハイロー、ラブライブが好きな人も是非。いやほんと面白かった。ちなみに私はフレイア推しです。