少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア 1 / 轟斗ソラ・中村彼方

 

 アニメとアニサマで見たライブにすっかりスタァライトされて第2弾舞台のチケットまで取ってしまったのですが、アニメ前日譚のこのコミックもまた素晴らしかったです。

輝くため、スタァになるため、オーディションを文字通り戦う9人の舞台少女たちの物語であり、その9人それぞれの間にある重い感情と重い関係性で殴られ続けるみたいなアニメ。その前提として彼女たちが何を求め、何を思い聖翔音楽学園に歩みを進めたのか、1年目にそこで何を感じ、何をしたのかを描く前日譚ということで、これは必修なのではという感じ。

1巻ではまひると純那、そして香子と双葉の話が収録されているのですが、純那の話がとても良かったです。生真面目な彼女の抱えたコンプレックスが、大場ななと争った委員長選挙で表面に出てくる話なのですが、星見純那という人のパーソナリティが、良いところも悪いところも含めて描かれていて魅力的だなと思います。そして何より、アニメで純那が一人闘い続けたななを救う形になったこの二人の関係が、かつて一人だったななが一人になりがちな純那を救うことで始まってたっていうのが、じゅんなな最高かよと。「だけど1人で抱え込まないで 困った時はいつでも私を頼ってね」って、あなたがそれを昔、言っていたの……。

トップを目指すために争い合う関係であり、一筋縄でいかない関係でもある9人ですが、それと同時に彼女たちの間には優しさと絆があること。それが何も矛盾することなく両立するのが、この聖翔音楽学園99期生の本質なのだと感じられる一冊。2巻も楽しみです。