少女☆歌劇 レヴュースタァライト -THE LIVE-#2 Trasnsition

 

99 ILLUSION!

99 ILLUSION!

 

 アニサマで転び、アニメで嵌り、そして舞台へという流れで見に行ってきましたスタァライト。10/16のソワレ。いや凄かった。

途中までは、なるほど2.5次元ミュージカルと思って観ていたんですが、中盤以降で完全に持っていかれた感じ、そして衝撃冷めやらぬ中で始まる第2部(ライブ)。最高でした。めっちゃ多幸感があった。

オーディション開始からの展開が高密度&ハイスパートで全てを押し流していく感覚、確かにアニメと同じでスタァライトされてるって感じなのですが、この途切れない高速展開でずっとアクションが続いていく流れをよく舞台でという驚きがあり。

14人のキャストが入れ代わり立ち代わる殺陣に、セパレート型の小型透過スクリーンを自在に組み合わせながら目まぐるしい視覚的演出。アタシ再生産のバンク映像を使っての早着替え。そして1時間ちょっとの時間の中に限界まで濃縮された重い感情と関係性の物語。それを、アニメと部隊で同じキャストが演じていることで、アニメから入った人間から観ても物凄く「レヴュースタァライト」を感じる舞台だったと思います。

そしてアニメ最終回で明らかになった視聴者=キリンとしてもね、舞台を演じることを描く舞台の中で、どんな展開であってもキリンが喜ぶならそれは正しいとあそこまで断言されてしまったら、「予想もつかないレビュー!! これが舞台少女の煌めき!!!」ってなりますよね。この、一度きりの舞台で常にその瞬間を最大にすることだけを考える刹那的快楽主義、スタンスとして大好きです。

 

このプロジェクトの肝はアニメとミュージカルを同じキャストがやることなのですが、正直別の人がやれば良いのではと思っていたのです。ただ、このアニメの続きでもある(舞台#1の続きでもある?)物語を演じる上で、完璧に同じ世界、同じキャラクターであるという説得力を与えていたように思います。声が同じというのはもちろんなのですが、それ以上に全てがそのキャラクターに見えるというか、演じているんじゃなくて魂が同じというふうに見える、というのが強い。その上で舞台にかける想いとキャラクター同士の関係を示すやり取りや動き、仕草、エピソード、歌がマシンガンのように叩き込まれるのでなんかもう死ぬよねって。

そして今回は青嵐という学校の舞台少女+先生たちとの闘いという形になるのですが、この青嵐の中の2人がまひる、ななに過去関係している人物。アニメで重い女としての立ち位置を確固たるものとしたまひるちゃんに過去からの重い感情が向けられるのやばいな? っていう。あとそこに空気を全く読まずに割り込んでくるひかりもやばいな? って。そしてアニメでループを断ち切り未来へと踏み出したばななが、過去からの声を断ち切って未来を語るとかそういうのはね、もうね、やばいですよね。

あと真矢クロお前ら本当にお互い大好きだよなって。クロちゃんが真矢様大好きなのはよく知ってたけど、真矢様もクロディーヌ本当に大好きだなって。

ふたかおはアニメでヤケになった香子を双葉が引き止める話をやった上で、今回実力不足に焦って裏切ろうとした双葉を、香子が引き止める話になっているのズルいなあと思いました。あとだいたい常にイチャイチャしてた。

青嵐の3人は演技、歌、アクションと実力者をキャスティングしたという感じで素晴らしかったのですが、その先生である八雲先生が最高でした。圧倒的な強者としての揺るがぬ実力と舞台へと向けるエゴ、アクロバティックなアクションに、聖翔OBとして届かなかったもの、走駝先生へと向けるコンプレックスと指導者としての立場が共存している感じ、舞台上で輝いているなと思いました。

あと、100回目のスタァライトを終えて腑抜けていた華恋のアタシ再生産が、この舞台でもまたキーポイントとなる辺り、主人公だよなあと思ったり。やっぱり、名乗り口上で流れを変えられるキャラクターという感じがします。

そんな第1部の衝撃冷めやらぬままに始まる第2部は、これまた完全にキャラクターとして演じられるライブパート。MC無しで立て続けに披露される楽曲の中で、ちょっとした動きでキャラクターを表現してくると目がいくつあっても足りない感じ。そして、このキャラとこのキャラがこの曲を一緒に!? みたいな高まる構図を、物語を観てからたった15分のインターバルで叩き込んでくるの、高圧縮ここに極まれりって感じでした。青嵐との「Star Divine」、やばかった。

序盤はなるほどねと思いながら観ていて、第一部の途中から舞台から目が離せなくなり、終わる頃にはテンション爆上げしていて、第二部ではただ幸せな気持ちだけが残り、最後のカーテンコールでまた次の舞台を見に来ようと思える、そんな素敵な公演だったと思います。

これはいけない沼だとは思っていたけど、思ってたより深い。