【映画感想】ラブライブ! サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbow

 

 サンシャインはアニメ2期以来全く追いかけていなくて、そのせいか冒頭からご当地要素とファンサービスに合わせてテンションMAXで津波のように繰り出される、いやいやそうはならんやろっていう展開の連続に若干面食らっていたのですが、もはやツッコミが追いつかなくなった辺りでそういえばこれがラブライブだったなあと。仔細は放り投げてでもやりたいこと伝えたいことを全力でというエネルギー。それによって生まれてくる高揚感。純度を高めて概念で殴るみたいな強さがあります。

そしてその物語は、終わりのその先を描いたもの。ラブライブってスクールアイドルであるからこその時間制約があって、上り詰めていくと同時に終わりに向かっている、そういう青春の一ページを描くからこその魅力があるのだと思います。μ'sの物語は、9人であるμ'sを選んだから、全部を終わらせるために映画があった。そして、Aqoursは6人で続けることを選んだ。だから、映画は、その先を、3年生の卒業という終わりのその先を描くためにある。そこにはもうμ'sを追いかけたAqoursの物語はなくて、Aqoursだけが描ける、Aqoursの物語が広がっている。アニメ1期の最初を見た時にこういうことを思って期待していたのですが、アニメ2期を経てこの映画に至り完璧なアンサー見せてもらった気分になりました。

やっていることは要は部活の代替わりで、浦の星女学院が廃校になっても、3年生が卒業しても、スクールアイドル部は続いていく、Aqoursも続いていく、でもどうやって? というもの。これからも6人で進んでいくために、3年生達と向き合って、これから先に向き合って、そこには成長した彼女たちがいるというたったそれだけのことを、目一杯の勢いとテンションと歌と踊りで、キラキラに描ききるというのがこの映画なのだと思います。新しい始まりがあって、終わるんじゃなく変わっていく、繋がっていく、新しい未来があるというシンプルなメッセージを力強くするのは、スクールアイドルとしてのAqoursの軌跡であり、ラブライブというシリーズの軌跡なのだと思いました。

いやしかし一年生組の成長にちょっと目頭が熱くなるものがあって、歳だなあと思いました。後半が本当にね、善子……お前本当に良かったなあ善子……っていうシーンだとか、ルビィが身につけた強さとそれを受けて立ち直る理亞の姿を受けてのエンディングでのワンカットとか、ちょっと涙腺がね……立派になったなって思うんだよね……。ああ、彼女たちはこうやって先輩になっていって、スクールアイドルは繋がっていくんだなと。