ゼノサーガ エピソードⅡ 善悪の彼岸 感想

ゼノサーガ エピソードII [善悪の彼岸]

ゼノサーガ エピソードII [善悪の彼岸]

とにもかくにも、この作品はゲームとしては良い評価はできないと思います。しかしながら、3エピソードからなるゼノサーガシリーズのエピソードⅡとしてみるのならば十分評価はできるのではないかというのが、私の結論です。
ゲームとしての評価が低いのは、とにかく全体がちぐはぐで完成度が低いと感じられるからです。ストーリー重視のゲームなのが裏目に出て、ゲームがストーリーを優先しようとしてシステムを簡略化し、逆にストーリーがゲーム性を作ろうと無理にボスやダンジョンを生成するという悪循環。これが、一番大きな問題だと思います。とにかく、この話はゲームでするべきじゃないんでは無いかという疑問。ただ、ストーリー重視ゲームの可能性へのチャレンジとしてはこういうゲームの存在もいいのかな。あとシステムでは、ミニゲームの多さと煩わしさ。ストーリーが楽しみたいのに、これがめんどくさい事この上ない。それから戦闘はムービーをなくしてスピード感は出してるのですが、いかんせん敵のHPが高くて結局長くなってしまうとか。そして問題なのは肝心のストーリーもDISC1ではいつまでたっても進まないし、DiSC2に入ってもそれほど進展しないのだからしょうがない。
と、ここまで文句ばかり書きましたが、これはエピソードⅡである事を考えるとしょうがない気もします。エピソードⅢが完結編となるため、エピⅡはまだ人物や謎を撒き散らしていく段階にされています。要するに肝心な部分にはまったく謎解きが行われないと。Jrとアルベドの話が一応軸にはなっていますが、ゾハル、グノーシス、ケイオス、ネピリム等ゼノサーガとしての物語の謎にはまったく触れられず、むしろ新しい要素が発生して謎が深まるばかり。これがゼノっぽさをストーリーから奪う要因でもあります。そしてその結果やや薄くなってしまったストーリーを軸にストーリー重視のRPGを作って名作ができるわけが無いのです。そう考えるとミニゲームや戦闘システム、ダンジョン内の謎解きに隠し要素とプレイヤーを楽しませるために制作陣はずいぶん頑張ってゲームを作っている気がしてきます。
要するに、ストーリー重視なのにそのストーリー部分が3への完全な繋ぎなので、どうやったって名作にはできないということですかね。それでも一応楽しめたのだから、ゼノサーガの世界観はよほど肌に合うようです。早くエピソードⅢが出ることを祈ります。
あと蛇足ですが、梶浦由記の音楽の使い方は真下アニメの方が数段上な気がしました。