- 作者: 谷川流,いとうのいぢ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/03/31
- メディア: ペーパーバック
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短編集です。前作までの話の補完と次回作への布石のような感じです。大掛かりなSFじみた話は無しで、SOS団メンバーがワイワイガヤガヤしてる話。あるシュチュエーションの中でキャラクターが勝手に動き出して楽しく騒いでる印象が強いですが、そのキャラクターが魅力的なのと文章が読んでて楽しいのが相まって、面白く読めます。どう考えてもありえない設定でユートピアなSOS団なのに、どこにもなさそうでもしかしたらどこかにあるかもしれないと思わせてくれる辺りが上手。不自然な感じがしないというか。
短編の中では、作中でしょうもないとかつまらないとか明言してしまってる作中映画や作中劇を文章化してしまう根性がある種すごい。映画のノベライズはこれだけ読んだらご都合主義と思いつき満載でどうしようもないですが、最初っからどうしようもないと言われてるのでバカだぁと思いつつ結構楽しめました。こういう思い付きのみで走るような話は結構好きだったり。あくまでたまにならという限定付きでですが。推理劇の方はイマイチか。残りの短編ではヒトメボレLOVERの長戸有希がとてつもなくキュートだったです。ダッフル来たイラストも良い感じ。イラストと言えば、表紙イラストが今までと雰囲気が変わってとても良い感じになってました。ただ、短編は結構面白いんだけど、大きなことが起こらないのでそこまでではないのも確か。全体的に本筋に関係なさそうな話が多いですが、明らかな伏線っぽい部分とか、団員間の微妙な感情の動きとか仕込んであって、次の長編にこの辺がどう生きるのかは楽しみです。長編に直接続く朝比奈ミクルの憂鬱はちょっとシリアスな感じが入ってかなり次回作への期待感を抱かせてくれました。朝比奈さんもただのマスコットキャラでは終わらないようで何より。
結局私はこのシリーズが好きなんだなぁと確認した短編集でした。長門さん可愛いし。
満足度:B+