涼宮ハルヒの陰謀

涼宮ハルヒの陰謀 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの陰謀 (角川スニーカー文庫)

繋ぎの一冊っていうのが正しいかなぁ。
SOS団それぞれの立場の再確認や、それぞれの背景、さらに謎の敵対勢力の登場などなど伏線を貼りまくっています。この巻単体の話はそこまで盛り上がる感じでは無いのでどうしてもそちらに目が行って、この先が楽しみになります。
メインの話はちょっと先の未来から自分によって送られてきた朝比奈さんとともに、朝比奈さん(大)のお使いタスクをこなすという話。時間移動とその整合性の話でもはや頭が大混乱。SF慣れしてる人はそうでも無いのでしょうか。ただ、未来から送り込まれて何も知らない状況で指示だけはこなさなければならないという朝比奈みくるの憂鬱を、キョンの立場から体験できるので、未来人も楽じゃないんだなぁという気分になります。そして最後のハルヒの仕掛けはすっかり引っかかりました。まさしく、あーという感じ。
ただこの長編では少し盛り上がりが足りないなぁという印象があります。長門が自分の感情をより強く持ちはじめたり、朝比奈さんがらみの謎が少しずつ明らかになったり、鶴屋さんの謎が深まったり、、古泉がSOS団への愛着を強くしたりとこの先の展開への下準備は着々なのですが。
長門と朝比奈さんの微妙な気の使いあいとかはなかなか。朝比奈さんがメインのはずなのにそれ以上の存在感を長門に感じるのは、私が長門好きだからか。
満足度:B-