- 作者: ひぐちアサ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/11/22
- メディア: コミック
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野球の面白さというか、スポーツの面白さを感じました。何よりもスポーツは人間がやるから面白いのだということを痛感。少しことが引き起こす動揺、選手間の信頼、応援団や保護者も含めた一体感に、細かな読み合い。そういった人間のするスポーツとしての野球が余すところなく描かれていて、非常に繊細で人間くさくて、それでいてすがすがしさを感じるのが良いです。
試合そのものは一巻丸々使って3回まで行かないという展開の遅さですが、孫文試合の濃密さが素晴らしいです。阿部と三橋の信頼関係がいつの間にか強くなっていることや、田島が万能ではないこと、相手側のエースの緊張に、阿部と対戦相手の読み合い。三橋が飛ばしすぎているという不安。野球はこんなに密度の濃いスポーツだったのだと、改めて感じました。三橋に感謝されて思わず涙ぐむ阿部がいい感じ。
試合の盛り上がりはまだまだこれからといった感じで次巻へも期待大。しかし、一試合にここまで時間をかけてると、作品全体としてどういう構想を描いているのかやや不安を感じたりもします。
満足度:A-