サマー/タイム/トラベラー 1 / 新城カズマ

サマー/タイム/トラベラー (1) (ハヤカワ文庫JA)

サマー/タイム/トラベラー (1) (ハヤカワ文庫JA)

青春小説なんだなぁという印象。
閉塞した未来の見えない地方都市で、頭の良すぎる高校生達のグループが、時を跳んでしまった少女を囲んでワイワイしている話、というのがここまでの感想。いろいろ思わせぶりなものを残して2巻へ続くなので、今のところなんとも言えません。
現在から過去を振り返る一人称で書かれた文章は、何か取り返しがつかないことが起こるということを予感させるし、ぼんやりと重たい気だるげな空気の中で、あいまいな不安がちょっとづつ増していって、この先どうなってしまうのだろうなという感じがします。
主人公達が鼻持ちならない位に頭の良すぎる高校生をしてて、ちょっとイライラするのですが、これは私個人の感じ方の問題。タイムトラベルというありえない現象を中心に、プロジェクトという幸せなサークル活動が描かれているようで、どこか不安が募っていくような不思議な感触。ただ、プロジェクト活動の中心である作中に出てくる膨大なSF作品がほとんどわからないので、あまり楽しみどころがつかめないという印象でした。
とりあえず2感を読まなくては。
満足度:B-