Variante 3巻 / 杉基イクラ

Varianteーヴァリアンテー03 (カドカワコミックスドラゴンJr)

Varianteーヴァリアンテー03 (カドカワコミックスドラゴンJr)

主人公の追い詰め方が相変わらずエグイです。
精神的嗜虐マンガも3巻突入で、話の大枠は見えてきた感じ。遺伝子操作して生まれた化け物であるキマイラとか、それを兵器利用しようとする組織や研究所とか、キマイラを腕に宿したまま兵器として使われる少女とか、その状況に疑問を抱く組織の青年とか、要素要素を見れば別に何も目新しいものでも無いのですが、狂気じみた描写と主人公の少女の追い詰め方がちょっと尋常じゃない感じを与えています。
全てを奪われ、自分の居場所のため、生きるためにキマイラと戦うことでしか自分を保てないまでに追い込まれているところに、キマイラが元は人間であったという情報が与えられ人殺しと言われ、さらには過去の家庭事情のトラウマまで出てきて、と精神崩壊寸前まで追い込んでおきながら、さらにまだ利用価値があると言われる始末。主人公を追い込むようなタイプのものは女性作者には多いですが、これは何がここまでやらせているのかと思うほどに酷いものがあります。
須藤が組織を離れ動くことによって何か情況が好転するのか。この絶望的な状況に希望が見えるのかどうか。読んでいて辛いものがあるマンガですが、この先も気になります。
満足度:B+