ぼくと魔女式アポカリプス / 水瀬葉月

ぼくと魔女式アポカリプス (電撃文庫)

ぼくと魔女式アポカリプス (電撃文庫)

えーと、確かに新本格魔法少女灼眼の谷川りすかキャストミルク風味でした。この手の小説のエッセンスを詰めるだけ詰め込んでしまったような感じ。確かにこれは学園異能だとかそういうジャンルを作ってしまいたくなる気分です。
なんというかひねくれた主人公の僕に内気魔法少女に気の強い幼なじみに元気がとりえの妹見たいなわかりやすいキャラ達。そして代理としての魔術師に魔女に翼にエルフに女体化に自傷にショタにバトルロイヤルに陰鬱な展開に絶望に悩み苦しむことにラブコメに救いのなさに後味の悪いラスト。これだけでも多分書ききれていない最近流行の要素を固めて煮込んで、味が濃すぎちゃったみたいな作品。もしくは具沢山過ぎた炒め物。一部には火が通ってないのに、一部では焦げついているような。それぞれの要素は決して嫌いではないはずなので、もう少し上手に料理してくれればもっと楽しめた気がします。こういう粗さも味だと思えば味なのでしょうが、似たような話でもレジンキャストミルクのような気持ちの良い悪趣味さのほうが好みです。
あとキャラ、特に一人称で喋る僕とヒロインの砧川が好きになれなかったのも少し辛かった点。ただクライマックスの盛り上がりや、救いのみえない鬱展開はお見事でした。でも続きはもう満腹です。
満足度:B-