ソラにウサギがのぼるころ / 平坂読

ソラにウサギがのぼるころ (MF文庫J)

ソラにウサギがのぼるころ (MF文庫J)

うーあー。なんというか、全力で明後日の方向へ。
ホーンテッド!は3巻まで読んでお腹いっぱいになったので4巻を読んで無いのですが、この人の小説は全然変わっていなかったです。というかさらに加速度をつけてどこか遠くのほうへ。元々際どかったものが、ギリギリで淵から落ちてるようなエッジさに。
とりあえず一応学園異能もの。大元の日常からは切り取られた非日常のユートピアブコメ空間を更なる非日常で上書きする辺りが、一応ラブコメパートは日常であるとしている作品群とは一線を隔しています。それにしても豪勢に色々な要素を詰め込んだもので、能力バトルに空から降ってきたゴスロリお嬢様吸血鬼にウサギ頭の執事にメイドに1000年の愛の物語とか、コミュニティとか庭園みたいな背後の勢力に、ラブコメでオタネタで百合にエログロちょっと鬱。筆者が売れ線を狙ったのは良く分かります。
しかしながらこれだけの要素を詰め込んで、綺麗にまとまった小説を作らない(作れない?)のがこの人らしくて、押しまくる下ネタやはちゃめちゃに過ぎる展開といった諸要素が、ふざけてるというか馬鹿にしてというかなんというか、捻くれてるとしか言いようがないです。面白くない訳じゃないんですが、ちょっとついていけないというのが正しい感じです。しかしまぁラブコメの人間関係の錯綜ぶりはさすがホーンテッド!を書いた人だけのことはあると思いました。
満足度:C+