魔法先生ネギま! 14巻 / 赤松健

魔法先生ネギま! (14) (少年マガジンKC)

魔法先生ネギま! (14) (少年マガジンKC)

4巻くらいまで読んだときは辟易としていたネギまを、まさかこんなに面白く読む日が来るなんて思いもしなかったというのが正直なところ。
しかしまぁ、完成度の高さは異様。これだけの設定とこれだけのキャラクターにしっかり厚みを持たせたまま、バトル、ラブコメ交えつつ本筋は少年の成長物語というストーリーをしっかりと引っ張っていく手腕はすごいとしか。しかも絵のクオリティも細かい書き込みも週刊誌連載とは思えない濃密さです。
今回は武道会が終わって、ネギが自分を見つめなおすというベースはありつつもサイドの女の子達の物語が中心。千雨と茶々丸を中心に千雨に魔法がばれる話に、亜子のシンデレララブコメに、ハルナへの魔法バレからはじまる夕映とのどかの三角関係、さらにアスナとタカミチのデートでアスナの過去をちらつかせつつ次巻へ続くというてんこもりな内容。まだまだ学園祭ネタで引っ張りそうです。ネギま!のラブコメは正直好みではないのですが、それでもどの話も良く出来てるなぁという印象。生徒達の設定はかなり深く出来ているようで、そういう部分で話を作る引き出しが多いし、一つ一つの話が面白くなるんだろうなと思いました。
なかでも茶々丸と千雨の観覧車での会話がすごい良かった。超側につく茶々丸とネギ側につく千雨の対比なんでしょうが、千雨というキャラクターの心理の変化が良くでててよかったです。茶々丸も変化しているんですが。
三角関係は相手が10歳ならそう言うところにおちるよなという感じ。思いつめる夕映と煽りまくるハルナ、そして夕映の気持ちに気付いてしまったのどかといったところが良く動いていて面白かったです。
しかし本当にどこからでも話が作れそうです。何巻までいくのかなぁ。
満足度:A