ユダの福音書の話

ナショナルジオグラフィックチャンネルというCSの専門チャンネルで「ユダの福音書」にまつわる番組をやっていたのですが、これがすごく面白かったです。お金のかけ方も番組の作りもさすが有名専門チャンネルの一言。偏らずに深い。以下取り留めも無い感想。
キリスト教は正直よくわからないのですが、キリストという人を中心に様々な物語が語られ、その中から今の4本の新約聖書福音書が選ばれたという過程が面白かったです。要するに当時としてはこういった文書はキリストにまつわる二次創作みたいなものだった……なんていうとクリスチャンの人からお叱りを受けそうですが、キリストにまつわる物語が様々なところで伝えられそれぞれに発展していったという形は、今も昔も物語のあり方として普遍的だなぁと思います。結局今の正しいとされるキリスト教の考え方も、ユダをどうみるかもグノーシス主義も、それが事実かどうかではなくてそれが信じられるかどうかの問題のように見えるのですが、その信じられた物語が実際に社会に強い影響を持つというのが恐いなぁと思いました。宗教学とか物語論とか神話論とか、そういったものがこんなに多様に語られているというのが分かる気がしました。