未来日記 (1) (角川コミックス・エース (KCA129-5))
- 作者: えすのサカエ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/07/21
- メディア: コミック
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デウスから未来を予言する日記を与えられた中学生の雪輝が、12人の未来日記所持者によるバトルロイヤル殺人ゲームに巻き込まれる話。小説に慣れちゃった身としては、設定解説やキャラクターの描写をもっと濃くして欲しいと思うのですが、特別不足している訳ではないし、これ以上説明描写を入れると長所であるスピード感やダイナミックな展開が損なわれそうなので、ちょうど良いバランスなのか。ただ、日記所持者それぞれのキャラはこの先で深めに掘り下げてくれると良いなと思います。この巻は傍観者であろうとしていた雪輝が成長する話としてきっちりまとまっていたので必要なかったかもしれませんが、この先必要になってくるのではないかと思いますし。
相変わらず、派手なことをやっている割に地味な印象はあるのですが、それを補って余りある由之のキャラの突き抜けた壊れっぷりが凄いですね。主人公にまとわり着くストーカー少女なのですが、狂気に溢れた描かれ方が素晴らしいです。時折見せるいかれた表情がひぐらしのアニメみたい(コミックは読んでいないので)です。彼女の持つ未来日記が「雪輝日記」という雪輝の行動のみが書かれた日記で、雪輝の持つ日記が周りの現象のみが書かれた日記であるという設定の妙で、雪輝は生き残るために由之を利用し、由之は利用されてるとしても雪輝のためなら人殺しだって厭わないという異常な依存関係を作ってて面白いです。こう書くとえらい都合の良いキャラクターなのですが、狂気的な部分の見せ方が上手くて、ちょっと恐ろしいキャラクターになっているのが良いです。
正直、絵やセンスの部分で私にはあわない所が多いのですが、それを差し引いても十分に面白かったです。続きも購入で。
満足度:A-