終わる世界 終わらない夏休み 芹沢和也の終末 / あきさかあさひ

終末ものでループものです。この単語で反応する人は読んでみても良いかも。
あるゲームにそっくりとあとがきに書いてあって、いろいろな方のブログでもそういう風に言われていますが、私はそのゲームをやったことが無いので無問題でした。
話としては今のところ上巻までなのでなんとも言えない感じ。世界が終わる理由とか色々変な感じのするところもあるのですが、下巻を読んでみないことにはまだなんとも言えません。ただ、終末という割に追い詰められた感じもくたびれた感じもしないで、キャラクターたちにやたら余裕が有るように見えるのはちょっと不自然かと感じました。もちろん世界の終わりなんて知らないのだから、それがリアルな描写かどうかという議論はできないのですが。
ノートと落書きを残して終わりの4日間をループしていくという構成はなかなか面白いです。少しづつ進んでるようで、足踏みしているような不思議な感覚。キャラも類型的ですがそこそこ。亜美のキャラは作為的に過ぎるかと思いましたが、ちゃんと納得できるだけのものはありましたし、主人公が少しづつ本気になる様もよかったです。あと、全体を包む静かで繊細な空気が終末ものっぽいなと感じました。
とにかく、この先どういう風に話が転ぶのか次第だと思うので下巻を待ちたいと思います。
満足度:B