侵蝕プラトニック / きづきあきら

侵蝕プラトニック (ガムコミックスプラス)

侵蝕プラトニック (ガムコミックスプラス)

きづきあきらの新装版短編集はタイトルの付け方が秀逸だと思います。
ちょっと長めの話の多い巻になっています。相変わらず人の感情の黒いところ痛いところをつつくのがものすごく上手。上手すぎてどうにも読むのに気合が必要で、いつまでたっても読み進まないという結果にもなっていますが、その辺りはトレードオフです。
話の中では「ココロ・SOS」が抜群に良かったです。心の弱い人に出来るという喋る出来物みたいなのを通じて少女が自分の心に向き合う話で、相談された少年と少女の関係も良いし、少女が自分の気持ちに向き合う過程も良いです。軽い題材ではないのに、前向きな余韻と明るさを感じるのが素敵。おばあちゃんと再開するシーンとかグッと来るものが結構ありました。あとは、「SWEET SCRAP」が人の心の嫌な部分を切れ味鋭く抉るような話でなかなか。
粗削りな感じがありますが、やっぱりこの人のマンガには魅力があります。モン・スールが息苦しさに投げ出して積みっぱなしなので早く読まないと・・・・・・。
満足度:B+