F1 日本GP

勝負あり。
熾烈を極めた新旧チャンピオン争いの決着が、まさかこういう形で着くとは・・・・・・。
フェラーリのエンジントラブルなんてもうずいぶん見ていません。あの瞬間の静まり返ったスタンドはすごかったです。もちろん、F1はチームスポーツであり、ドライバーだけでなくメカニックから設計者、工場スタッフまでの力が合わさってあの化け物のようなマシンを走らせているのであって、運不運でトラブルが出る訳ではありません。それにしたってミハエル個人はは不憫。それでも、何か清々した顔をして、メカニックたちを労うミハエルの姿になんだかじんとしてしましました。もちろんまだチャンピオンの可能性は消えていません。ただ、ミハエルのあの表情を見ると、もう諦めたというか、自分の中のF1というものにケリをつけたのだなと感じざるを得ませんでした。偉大なチャンピオンの、清清しい引き際だと思います。個人的には嫌いなドライバーでしたが、いなくなるとやはり寂しさを感じます。それだけの存在感があるドライバーでした。
そして逆転で優勝を勝ち取ったのはアロンソ。スタートで4位にあがるも、その後ラルフに押さえられる苦しい展開。それでも諦めずにラルフをパス。そして一回目のピットでマッサをもかわし、その後のミハエルに喰らい付いたレースっぷりは素晴らしいものがありました。やはりこのドライバーは次代をになう力があります。
結局2位のマッサは一回目のピットでアロンソにかわされているようではまだまだか。3位フィジケラは地道に走っていましたが、アロンソとの差は埋められないみたい。そして4位バトン、5位ライコネンはきっちり走りきっての上位入賞と、エースドライバーらしい仕事を見せていました。
その後ろはトヨタの2台。6位トゥルーリがペースを上げられなかった時に、7位ラルフが完全に抑えこまれたのが痛かったです。3位までの差を見ると、ラルフがフリーで走っていれば表彰台も狙えたような気もするだけに残念。それでも、中国で沈んだトヨタが日本ではしっかりと結果を出してきたのは評価に値すると思いました。そして8位にクビサを何とか抑えたハイドフェルド。それでもBMWの注目ドライバーはやはりクビサな感じがするのが、この人も報われないドライバーだという感じ。
後方では佐藤琢磨が大声援をバックに力走。スタートでは遅れたものの、下位グループとは遜色ないスピードを見せ、スパイカーモンテイロトロロッソのスピードより前を走ったのはがんばったとしか言い様がありません。スーパーアグリがレースをできるようになったというこの進歩はすごいものがあります。なにしろバーレーンでは完走がやっとだったチームが、トップ1週遅れでゴールするんですから。相変わらず最下位争いではありますが、今後への期待が持てるレースでした。