魔法先生ネギま! 16巻 / 赤松健

魔法先生ネギま!(16) (講談社コミックス)

魔法先生ネギま!(16) (講談社コミックス)

赤松健はバトルマンガが描きたくて描きたくて仕方が無いんじゃないんでしょうか。
対超編も中盤、まんまと罠にかかったネギパーティー、そしてネギ救出作戦から、ネギ立案による学園全体を巻き込んだ対超全面戦争へ。これだけを書くと、まさしく真っ当な熱血バトルマンガなのですが、ほとんど女の子キャラだとか、やたらめったらお色気サービスが出てくるとか、今までの赤松健色も強く残っていて、なんだか混沌とした感じになってまいりました。ただ、職人的なお色気ラブコメよりも、こういう作者の趣味色が滲み出るような作品の方が私は好きです。
キャラクターも設定もストーリーも何もかもこれでもかこれでもかと詰め込んで、文章量は多いわキャラクター数は多いわで紙面の情報量が大変なことになっています。ネギパーティーvs超パーティーだけでも相当な数になるだろうに、学園関係者全員動員にしちゃったものだからなんだかもう大変なことに。これだけ大きく風呂敷を広げるといつ破綻してもおかしくないと言うのが、ちょっと不安なところ。ましてや週刊連載ですし。
話が広がるにつれて設定も粗が出てるような感じはするのですが、どちらかというと燃える展開と見せ場優先な感じで、そういう意味では大事な部分は抑えてるので構わないのか。それぞれきっちり見せ場を作ってますし、千雨の仮契約シーンの力の入り具合などは素敵。次の巻で夕映とネギの間でかわされるであろう、何が正しいかと言うイデオロギー的な問題まであって、本当にてんこもりな一冊でした。
というかここまでやるなら、むしろわざとらしいお色気は邪魔じゃないのかなぁ・・・・・・。
満足度:A-