- 作者: ナカガワヒロユキ,久行宏和,矢立肇
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2005/09/06
- メディア: 文庫
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舞-HiMEの後半戦。要するにHiME同士のバトルロイヤル部分です。舞-HiMEの設定はかなり強引で、バトルロイヤルがやりたいとか、思い人を賭けた戦いのほうが切なかったり悲壮だったりするとか、そういう狙いにきたあざとさを前面に感じてしまうのであまり好きではないのですが、HiME達が悩み追い詰められながらも闘う様や、思い違いや感情のすれ違いで壊れていく関係性というものはやっぱり面白いことは面白いです。中々テンポ良く描かれていて、小説としても結構面白いと思います。少しネタばれ入るので隠しますが、バトルロイヤルものでもただただ参加者が壊れていくだけではなくて、ちゃんと裏で糸を引く黒幕がいて、それを倒してある程度幸せを取り戻せるのは好印象でした。趣味の悪い話を散々やった後で「想いの力で運命さえも超えられる」というベタなテーマに持っていったのは、個人的には良かったと思います。ただ、鬱々とした展開から、ハッピーエンドへの反転はもっと鮮やかに描いて欲しかったかなぁと。終幕でもう少し余韻に浸りたかったです。
あと、HiMEを全員描こうとした弊害で、どうも描写が薄く感じる部分や視点が飛びすぎて話に入り込めない部分も散見しました。もう少しそれぞれの話にタメがあると良かったかなと思います。
キャラでは碧ちゃんがお気に入り。HiMEの中では大人なキャラと言うことで、いい加減だけど頼れる部分もあって好きでした。それだけにもう少し見せ場が欲しかったです。皆でそういうことを言うから、上記のような書き方になって、問題点が出てくるというのも分かっているのですけど。
満足度:B