新世紀エヴァンゲリオン vol.8

NEON GENESIS EVANGELION vol.08 [DVD]

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うん、これはやっちゃった感じ。
話が進むうちに、方向性が段々ぶれてきて、最終的な選択としてはキャラクターの内面を描くことに特化した結果のこれには納得できないことも無いのですが、エヴァンゲリオンと言う作品を毎回楽しみに見てきたファンに対しては背信行為に等しいと思います。
アクションも学園生活も、成長も恋愛も克服もすべての外向きの物語を投げ出した上での、ひたすら内面へと落ちていく2話。自己と他者のコミュニケーション、自我のあり方への問いを立て続けて、最終的に「僕はここにいて良いんだ!」「おめでとう」への流れは、救済の形としてはアリだと思うし、ハッピーエンドだとも思いますが、作品としても、シンジとしても逃げの一手です。まぁ、この作品自体のカタストロフに、何らかの面白さや背景的な自称まで含めた興味深さを見出せるともいえるのでしょうが。ルールを外さずにきっちり物語を進めていたら、良く出来た作品で終わっていたかもしれないのですし。
全体通して見ると、普通に面白かった前半から中盤、そして異様なテンションが面白かった後半を経て、主題と物語の迷走が始まった終盤でどこかへ行ってしまった感じ。棒高跳びの選手が飛び上がったまま帰ってこなくなったみたいな。印象に残るキャラクターやセリフなど色々面白いことは確かだし、ネタとしても話題性はあったと思うのですが、作品全体のバランスは悪かったんじゃないかなぁと思います。
さて、これで残りは劇場版。そこまで見たらもう少し内容について何か書くかも。でも、これ語り尽くされていて、今更私が何か書いても仕方が無い感じがするのですけど。
それにしても、これを見たらお気楽な学園エヴァが読みたくなる気持ちは良く分かりました。疲れるわ、これ。