灰羽連盟 COG.5

灰羽連盟 COG.5 [DVD]

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最終話まで。
ラッカが救いを得たことで、話の主軸はレキの抱える問題へ。
レキにとってのラッカを救った鳥のような存在になろうとするラッカの頑張りが印象的。最初からレキがラッカを助ける形がずっと続いていたので、ここまできて逆のパターンが見えるとラッカの成長を感じられます。そしてこの形はレキの成長でもあるのか。周りの廃工場の灰羽たちや話師の存在もしっかりきいていて良かったかなと思います。
話の本質としては、周りとの繋がりみたいなものを描いてたのかなぁと。ラッカは差し伸べられた手に気づき、レキは助けを求めることで、周りとの繋がりを回復したという話だったような気がしなくもなく。レキの優しさは嘘から生じたものでも、優しくすること自体が生み出していくものもあるんだという感じでした。灰羽という存在自体が、壁の向こうの世界で生きていく中で自らをその世界から切り取った人という印象を私は抱いていたので、壁の中で保護されて働きながら少しずつ周りとの関係というものを取り戻していくということが自然に感じられたのかもしれません。
ただ、全体通して話のほうはちょっと暗かったかなぁというか、内側内側に入って行き過ぎてるような気も。クゥの巣立ちからのラッカの落ち込みっぷりは見ているのが正直辛いものがありました。もう少し、緩さのようなものがあったほうがしんどくはなかったかなと思うのですが、扱ってるテーマや作品の雰囲気がそれを許さなかったのか。灰羽たちのスローライフな生活がもう少し眺めていたかったなというのが個人的な願望です。
まぁ、そんなことは置いておいて、とにかく全編通して、街や森の様子から灰羽の姿までのビジュアルイメージと音楽、そして設定は極上でした。この幻想的な空気は本当に素晴らしかったと思います。