ワールドエンブリオ 3 / 森山大輔

ワールドエンブリオ 3 (ヤングキングコミックス)

ワールドエンブリオ 3 (ヤングキングコミックス)

プロローグということだった1,2巻を経ていよいよ話が動き出すのかと思ったらやっぱり導入だったよ的な3巻。
レナと一緒の学園生活が始まったり、そのレナが学園では眼鏡委員長キャラだったりと、学園ものっぽい日常パートが入るのかと思ったらあまり入らないまま学園を舞台に大規模な戦いが。作品の軸足としては伝奇バトルの方にずっと重きを置いているような感じです。
そしてそちら方面ではストーリーも絵もさすがの完成度でしっかりと話を進めている印象。特徴的に感じたのは、どのキャラクターも非常に精神的に余裕がないというか、思いつめて追い詰められているいるようにも見えること。それが全体に息苦しさを感じるような緊張感と不安感を持たせています。特にリクは弱気なように見えて、極端な執着を見せたりしてちょっと怖い。それでも、刃機使いとして生きる覚悟を決めたラストはカッコ良いと思いましたけど。
別の思惑を持って動くキャラクターたち、ネーネと天音に秘められた謎、棺守という存在の狙い。まだ話は始まったばかりで、これから盛り上がりそうな要素は十分。あとがきで作者も触れているように刊行ペースは早くありませんが、気長に待ちたいと思います。
満足度:B+