スパイラル・アライヴ 3巻 / 城平京・水野英多

いつの間にか3巻なアライヴ。
物語の足場固めは着々と進んでいる印象ではありますが、この巻では大きな動きはないのでちょっと盛り上がりに欠ける部分も。全5巻ということで、次の巻からが山場なのかも。
管理されていないブレードチルドレンの存在を示す「ミカナギファイル」の存在を鍵とした、雨苗雪音vs鳴海清隆の闘いになってきた3巻。直接対決ではなく、周りの人間を駒として操り、知略の限りを尽くして互いの目的を達成するというのがスパイラルらしいです。浅月も亮子も伊万理も沢村も理央もキーマンとして登場したシェフィールド博士も、結局のところ盤面を構成する駒に過ぎないという。ただ、そうしたストーリーを作るためにキャラクターが動かされてるという違和感も若干感じるところではあります。清隆=作者の位置から実際問題操られているのだからそうなって当然ではあるのでしょうけど。
そして連続殺人犯がどうのとか殺し殺されの話をしながらも、ちょこちょこと挿入されるギャグ部分が軽くて笑えるのが不思議なバランス。亮子と浅月の関係なんかはすごく美味しいのですが、そこを楽しんでる場合なのかとも。
なんにしてもお互いが何をたくらんでいるのかが分からないので、この巻まででは何とも言えない感じ。楽しみに続きを待ちたいと思います。
満足度:B+