魔法先生ネギま! 21巻 / 赤松健

魔法先生ネギま!(21) (講談社コミックス)

魔法先生ネギま!(21) (講談社コミックス)

魔法世界編突入のネギま!21巻。
魔法世界へ到着した途端のフェイトによる襲撃、そして世界中に散り散りになる仲間たち。ファンタジー世界に舞台を移したとたんに、またなんというかベタな展開を持ってきました。パーティーメンバーを探しながら世界を旅するとか、いったいどこのRPGだよという。
巻頭のvsフェイトパーティーは、明確な敵役の出現ということでバトルマンガ方面での面白さもありつつ、闘いの後で後悔するネギの姿の描写がキャラクターをよく表していた気がします。コタローの言うように「アホっぽさ」が足りなくて、真面目すぎる辺りがネギの課題なのでしょう。バトル的には、追い詰められた状況から盛り返す見事な連携にネギパーティーの成長を感じました。
この巻から舞台が魔法世界へ移った訳ですが、それは学園ラブコメというこの作品の大きな軸の一つを放棄することでもあるわけで、作品世界の組み立て直しが図られている感じが。ただ、その辺りでどうにも無理が出てるような感じもします。どこまでギャグで片づけてよくてどこからシリアスなのかとか、キャラクターはそのままでの舞台の移行で生じるツッコミどころとか、感覚的な部分で戸惑いが。ストーリー的にも定められたシナリオに沿ってキャラクターが動いているような感触が強くて、いまいちノりきれない感じがしました。ただ、その辺りはこの先だんだん解消されていくのかも。
ネギと最初に合流するメンバーに茶々丸、千雨、コタローを持ってきたのは意外な気もしましたが、これはこれで新鮮で良かったです。明日菜や刹那辺りの主要キャラの合流は最後の方に持ってくるのかな。