ハヤテのごとく！ 14巻 / 畑健二郎

ハヤテのごとく! (14) (少年サンデーコミックス)

第一部クライマックス？ ということでこんな雰囲気のものも描けるのかと。
下田編のようにストーリーを主軸にするとグダグダ気味になるこのマンガですが、同じ長編でもキャラクターとキャラクター同士の関係性を主眼に置くとこんなに面白くできるのかとびっくりしました。いつものハヤテのノリとギャグを残しつつ、しっとり切ない雰囲気で締めてきた「Distance」までの流れは素敵でした。
サクヤに突然妹属性が生まれたりしつつハヤテ周りの人間関係を整理したり、色々なところで人間関係に進展があったりと見せ場も多々。今まで聞いたこともなかったような伏線が突然提示されていたりしてどうかと思う部分もありますが、一端仕切り直すためならまぁそれもありかという感じ。
ハヤテ周りの部分では改めてハヤテのモテっぷりが凄まじいことに。しかし本人にその気がないままにフラグを立てるので、なんだかそのうち大変なことになるような気もします。その気がないのは過去の出来事が原因のようですが、その辺りもこれから掘り下げていくのでしょうか。
そんなハヤテの過去や、ナギの抱えた想いなども見せつつ、私的クライマックスはやっぱり観覧車での西沢さんとヒナギクの会話。いつも強気で完璧なヒナギクが、普段普通で地味な西沢さんに良いように扱われる様子が素晴らしすぎます。萌えです。だからもうハヤテとかいいから西沢×ヒナギクで……とか思ったり思わなかったり、やっぱり思ったり。
後半からは、主要キャラを強引に1クラスにまとめるいうテコ入れ気味の新学年編開始。かなり強引ですがそれが許される作品ですし、キャラクタ同士の絡みを増やすという意味では、このマンガに合った設定変更だと思います。早速今までに無かった組み合わせでの話も出ていますし。
あれ、でも、この設定だと、西沢さんは……？