紅 〜醜悪祭〜（下） / 片山憲太郎

紅 醜悪祭 下 (集英社スーパーダッシュ文庫 か 9-7)

あー、これは……。
各地で色々言われてしまっているこの巻ですが、確かに文句の一つも言いたくなるよなぁという。アニメ化に合わせての刊行は商業的に当然とは思うのですが、納期が決まっていたので未完成だけどリリースしちゃいました的な匂いがするのは如何ともしがたく。
ただ、一冊の本として見るとそんな感じではありましたが、中身はしっかり面白かったです。≪孤人要塞≫に圧倒的な力の差を見せつけられ、押し寄せる理不尽と悪意の中で潰されそうになっていた真九郎に力を与えるのは、やっぱり紫の存在。紫の真九郎に寄せる絶対の信頼と、真九郎にとっての紫の存在の大きさをひしひしと感じさせてくれました。
でも、さぁここからというところで次の巻へ続くになってしまっているので、この巻だけだは何とも言えない部分も。今はただ、続きを首を長くして待つばかりです。
巻末のアニメ1話のシナリオと用語集、銀子の紅ゼミナールでは、紅ゼミナールが良い感じ。銀子かほかのキャラクターからの質問に答える対談形式なのですが、真九郎への想いをいじられる銀子がやたらめったら可愛かったです。小説内ではあまりそういうシーンがないので、余計にそう感じるのかも。