- 作者: 遠藤達哉
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/06/04
- メディア: コミック
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それだけでたぶんこのマンガは好みなのだろうと思っていたのですが、期待を裏切らず、その上を行くような良い出来だったと思います。
教会の暗殺者シスター・ミリティアとして教会が悪とする者を撃ち続ける少女ティスタ。親を失い、信仰で己を縛り、銃を取ることで生きてきた彼女が出会ったアーティーという少年。2人の関わりと、事件の中での不幸な遭遇。事件を追う刑事たち。コントロールできない心の中の何かに思い悩み、そして決断をするティスタの周りで、多くの人達が動き始める第1巻。
少々悪趣味な見方ですが、このマンガの魅力は、贖罪に自らを縛り銃に縋るようにして生きるティスタが、人との関わりを欲しながらそれを切り捨てようともがき苦しみ、自らを追い詰めていく様子なのだと思います。地味で人付き合いの苦手な少女と暗殺者という2つの顔が、その揺らぎと苦しみを引き立たせているような感じ。
そしてそうした叫びみたいなものが、物語からも絵からもきっちり伝わってくるのが良かったです。特に銃に寄り掛かるように立ってこちらを睨んでいる第2話の扉絵が強烈でした。
ティスタの周りの人々、とりわけアーティーの存在が、これからティスタにどういう変化をもたらすのか。簡単に幸せになれるような物語ではないと思いますが、彼女が少しでも救われることを願って、続きを待ちたいと思います。
……ジャンプSQって打ち切りとかしないよね?