電脳遊戯 ゴーストタッチ / 真名月由美

電脳幽戯 ゴーストタッチ (講談社X文庫ホワイトハート)

電脳幽戯 ゴーストタッチ (講談社X文庫ホワイトハート)

ホワイトハート新人賞受賞作。
ネットでの書き込みを通じて行われる死のゲーム、それに巻き込まれた少女と、彼女を守ろうとする探偵の物語。
細かいルールまで作り込まれたゲーム小説といった感じの一冊。ネットのサイトを通じて行われるゲームは、ホラーテイストな部分よりも、ネット上に書き込んだ言葉の先に現実の世界での死があるという感覚が面白かったです。ネット中毒な人間としては、書き込んだ言葉が現実のものとなっていく様子は恐ろしくもあり、快感でもあり。
ただ、ゲーム的な部分では面白かったのですが、ゲームがあって物語がついてくる感じで、話的にはちょっと弱いかなと思う部分も。キャラクターの行動や感情の動きが、どうも薄く感じてしまうというか、小説に動かされているような印象を受けてしまうのがなんとも言えない感じでした。
探偵の鷺浦と女子高生の緋真のキャラクターや2人の関係は良かっただけに、もう少しそれが深く描いて欲しかったかなと思います。あと、せっかく鷺浦の助手という良いポジションにいるのだから、璃砂にはもっと絡んできて欲しかったな、とか。