SHI-NO ―シノ― / 上月雨音・東条さかな

SHI―NO ―シノ― (角川コミックス ドラゴンJr. 129-1)

SHI―NO ―シノ― (角川コミックス ドラゴンJr. 129-1)

「SHI-NO」のイラストを手掛ける東条さかなによるコミカライズ。原作は途中まで読んでいます。
変に本編に絡んだストーリー物ではなく、一話読み切りでキャラクターを描くことを主眼に置いた読みきりになっているのはコミカライズとして好印象。その分原作を読んでいないと楽しめないサイドストーリーではあるのですが、そのくらい割り切ったファンアイテムの方が良いのかなと思いました。
そして見どころは何といっても僕と志乃ちゃんの関係。人の闇を冷静に見つめ、どこか達観した空気を持つ「普通」ではない少女が、それでも「普通」な領域にとどまり続けているのは、平凡でどこまでも「普通」で、志乃ちゃんのことをとても大事に想っている僕という存在がいるからなんだと強く感じさせてくれる内容でした。小学生の女の子と大学生の男の子ということでアレな感じもしなくもありませんが、この2人の場合何かもっと別の次元の強い絆で結ばれている感じがするのが良いです。
それから、志乃ちゃんの魅力も満載。長い黒髪、大きな黒い瞳、小さな体という支倉志乃の特徴とも言う部分が、ここまで魅力的に描かれている辺りはさすがに原作のイラストレーターというか。個人的にこの人の絵はとても好き。中でも瞳の力にやられる感じで、ミステリアスな魅力を放っていました。そして僕のことになると割となりふり構わない辺りも可愛らしいです。後は女性陣に振り回され続けるクロス君も何気なく可愛い気がします。