ヤダモン / SUEZEN

ヤダモン (CR COMICS)

ヤダモン (CR COMICS)

1990年代前半にアニメージュに連載されたマンガの復刊。
なぜこの時期にこの出版社から? という疑問はありつつも、子供のころに好きだった作品ということもあって思わず飛びつきました。
マンガとしては話の進みが急というか、駆け足過ぎて色々描き切れていないような感じがしてちょっとどうかなとも思うのですが、動きまわるのヤダモンの懐かしさに全て流されていったような感じ。子供のころの好みってすごい。
そして実のところ私はヤダモンのアニメの後半を、放送時間の変更や内容が難しくなって良く分からなくなったことから見ていないので、キラを巡る後半の話は面白かったです。妖精や魔女の世界の設定、そしてキラという闇を宿したキャラクターの存在と、ワガママだけど真っ直ぐなヤダモンの存在。こんなに作りこまれた作品だったのかという驚きがある一方で、まだ小さかった当時の私が投げ出したのも分からなくもないなぁという気もしたり。今読むとかなり面白そうに感じるので、アニメ版もいつかちゃんと見たいところではあります。
SUEZENの絵は柔らかい感じと、釣り目がかわいいです。賑やかに動き回るキャラクターのいきいきとした様子が凄く良い感じ。シリアスシーンでも突然ギャグ入ってきたりと、ある種落ち着かない雰囲気になっている作品なのですが、そういう部分がキャラクターを血が通った感じにしているのかもしれないと思いました。ただ、全体のセンス的にはやはり15年以上前の作品という感じはするので、今のマンガと同じような感じで読み始めるとちょっと違和感があるような気がします。
全く関係のない話ですが、私の幼少時に印象に残っているNHKアニメが「ヤダモン」、「恐竜惑星」、「ジーンダイバー」の3点という時点で、三つ子の魂百までというか、NHKは大変罪作りな放送局だなと思うのですがいかがでしょうか!