夢喰いメリー 1巻 / 牛木義隆

夢喰いメリー (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

夢喰いメリー (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

夢の世界「幻界」からやってきた少女メリーと、人の夢が見える少年夢路の出会いから始まる物語。
これは面白かった!
異能の少女と、不思議な力を持った少年の出会いから始まるバトルメインのストーリーで、主人公のそばに幼馴染がいる辺りまで含めてオーソドックスな話なのですが、キャラクターの魅力といいテンポの良い展開といい、何か勢いを感じさせてくれるような作品でした。
幻界の住人である夢魔は人の心に付け込んで現実に侵食しようとしてくるわけですが、これに対してメリーと夢路の2人が相対していくような感じの話。まだまだ導入といった感じなのですが、夢魔たちが現実に侵食しようとしている中で、現実世界に放り出されて帰りたがっているメリーという設定に隠された謎が今後のカギとなりそう。
そしてこの作品、ヒロインのメリーがかわいいです。強気で誰の助けも借りないと言いながら、実のところ強がりで助けを求められない性格。異能者としての力とそれ故に誰も巻き込みたくないという思い、その反面抱えた弱さと素直になれない子供っぽさのギャップがとても魅力的。そんな彼女の前に、おせっかいで正義感が強くて無鉄砲な夢路が現れて、その出会いが面白くならない訳もなく。この2人の関係は、2人の思いが対比されたP84の1ページのコマに凝縮されているような感じがします。
絵も話運びも荒っぽさを感じるところは多々ありますが、それすらも勢いに変えているような感じ。ハイテンションで走り抜ける物語は、決めるところは決めて、盛り上げるところは盛り上げてくれるので、読んでいて疾走感と爽快感があって非常に良かったです。続きにも期待しています。
蛇足ですが、読んでいてデザインとか雰囲気とか帽子とかがすごく東方っぽいと思っていたら、思いっきり東方同人の人でした。あぁなるほど! みたいな。