生徒会の四散 碧陽学園生徒会議事録4 / 葵せきな

もう真冬ちゃんしか見えない。これはもしや……恋!
戯言はとりあえず置いておいて、相変わらず電車の中で読めない生徒会最新刊。1巻を読んだ時には面白いけどどこか気持ち悪くて、読み続けるにつれてだんだんこれはこれでありな気がしてきて、5巻目まで来たらただひたすらに気持ち良くなりました。これはもう何か新手のドラッグなんじゃないかと思われます。
そんな訳で相変わらずな生徒会面子のくだらない雑談が絶好調。それぞれのキャラはより強烈になっていくし、呼吸のように繰り出されるオタクネタは幅広い上にギリギリだし、相変わらずハイテンションな掛け合い漫才はもはや完成されているしで、キャラクターが喋っているだけで小説は面白くできるという実例のような感じ。個人的に一番面白かったのは会長の九九でしたが、他の話も常に高いテンションをキープしていて素晴らしかったです。
そして、4人のヒロインをそれぞれきっちり魅力的に描いているのも何気に凄いことなんじゃないかなと。主人公がハーレム王を目指しているだけあって、不遇な扱いを受けるキャラが出ないというのもあるのでしょうか。そんな中で鍵への好意が表面化しつつあるそれぞれのキャラクターの今後の動向にも注目です。
しかしながら個人的にはもう真冬ルートさえ存在すれば何でも良いという感じになっております。鍵と真冬のお互いベクトルは違うのにダメな方向に通じあった会話とか、自らの妄想とダメ人間ぶりを熱く語る姿とか、弱そうに見えて意外に芯が強いところとか、なんかもう好きすぎてどうしようねこれは。自分の意外な嗜好にびっくりです。
そしてラストでの2人の関係の急展開にもびっくり。これはこれで新機軸な関係で、読んでいる分にはこの先もとてもニヤニヤさせもらえそう。でも真冬ちゃん、その関係は大変心地良いし傷付かないかもしれないけど、でも絶対幸せになれないからやめた方がいいと思うんだ……。