ローゼンメイデン 1巻 / PEACH-PIT

ローゼンメイデン 1 (ヤングジャンプコミックス)

ローゼンメイデン 1 (ヤングジャンプコミックス)

前作があまりに不幸な終わり方をして残念に思っていたら、ヤングジャンプがやってくれました。そんなローゼンメイデン新シリーズ。
掲載誌のカラーに合うのかな、そもそも仕切りなおして前作からどうつなげるのかな、と心配していたのですが、その辺りは巻かなかった大学生のジュンを主人公に持ってくることで解決していて、こういう新シリーズのつなげ方もあるのかと思わず感心。
第7ドール雪華綺晶の暗躍により動きを封じられたジュンたちが助けを求めたのは、「巻かなかった」パラレルワールドのジュン。でも、社会に馴染めず、自分は違うんだという想いに縛られたまま人を見下して心の安定を保とうとする、変われなかったジュンの姿は何ともきついものが。
そしてそのジュンが、真紅たちとの関わりや、得意の手芸を活かしてバイト先の演劇をやっている子との関わりの中でようやく変わっていけるのかと思った矢先のこの展開。こういうタイプの人の「自分は求められていない」という感覚は、私自身結構身に覚えがあったりして読んでいて辛いものがあります。何というか、マイナスの感情を突いてくるのが上手いな、と。
まだ物語は導入部分。そもそもが枝分かれしただけのパラレルワールド。単なる道具としてしか扱われない状況の中で、救われる道の見えないこちらのジュンが、この先どうなっていくのか不安を感じつつ見守っていきたいと思います。