とある科学の超電磁砲 3巻 / 鎌池和馬・冬川基

笑って泣いてスカッとできる、これぞエンターテイメント! な作品。
「幻想御手」編のクライマックス、木内先生vs美琴の決着。事件を引き起こした木山先生の目的が明らかになって、その回想シーンに思わず涙腺が決壊したあとはもう物語にのみこまれっぱなし。AIMバーストの暴走を止めるために、自分にできることを全力でやりきる初春の姿に感動し、美琴の超能力の規格外っぷりにカタルシスを味わい、ラストの佐天と初春の会話にまた涙腺が……。
派手な戦闘シーンの動きや1コマでの見せ方にテンポなど、アクションからギャグ、そして感動シーンまでマンガとして凄く出来が良いと思います。読んでいて全然ストレスがないし、物語にどんどん引き込まれていくの辺りが凄く気持ちいい感じ。それぞれのキャラクターのてらいのない前向きさや、一生懸命さも凄く良いです。そのおかげか、作品全体が後ろ向きにならず、ジメジメしないところも素晴らしいと思います。そしてそんな色々な要素が凄く噛み合っている感じで、本当に面白いマンガになっているのだと思います。
しかし黒子さんは美琴ラブがガチすぎて、やっていることに若干変質者の匂いが……。プール掃除の回は、あそこまでやったら立派なセクハラだと思います。そしてカバー下の日記を読んで、この子は危険な子だ! と思ったのは内緒。早く部屋を別にしてあげないと美琴が危ない……!
それはまぁ置いておいて、幻想御手編その後のおまけのようなちょっとした話や、初春と黒子の出会いの話も良かったです。今続きがとても楽しみなマンガ。素晴らしかった!