- 作者: 鬼頭莫宏
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2009/03/12
- メディア: 単行本
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小さな世界から、それを使っていた人の強い念のこもった戦艦や自動車、戦闘機といったものが浮かび上がってきて、そのキ物を扱うキ祷師の少女がいるという設定だけで何かに勝っているような感じ。それをこの作者が描いているのだから、悪趣味なものになりそうな気がするところを、あるがままというか肩の力が抜けたというか、とても自然な空気に包まれているのがちょっと意外な感じでした。
シリアスなようでもあり、のんびりしたようでもある、どこか心地よい不思議な世界観は非常に魅力的で、空の広さと相まって思わず身を任せたくなるような感じ。マイルスとギカクの気の置けない感じのやりとりも、ギカクが何が権化したものであるかというシリアスさを軽減していて、なんだか和みます。そして何気なくエロっぽい感じが織り込まれているのも、肩の力を抜かせるような感じでした。そしてマイルスさんの引きつり笑いがかわいい。
そんな感じに読んでいて居心地の良い作品でした。続きも楽しみです。