プラナス・ガール 1巻 / 松本トモキ

プラナス・ガール 1 (ガンガンコミックスJOKER)

プラナス・ガール 1 (ガンガンコミックスJOKER)

これは女装っ子コメディの本命かもしれない……!
勉強もスポーツも優秀で女の子にもモテる完璧超人な主人公の男の子が、見た目はめちゃくちゃ可愛いけど実は男な美女装少年に迫られたりからかわれたりして、困惑しつつもいちゃいちゃするマンガ。
と書くと色々と倒錯して敷居の高い作品のようにも見えますが、このマンガが凄いのはそういう部分を感じさせないくらい、シンプルにコメディとして面白いこと。女装っ子の藍川と槇の掛け合いが話のメインになるのですが、これが非常にテンポが良くて楽しいです。そして絵柄的にも話のノリ的にも少年マンガらしさに満ちていて、明るくて嫌味がないのが良いところ。あっけらかんとした藍川はもちろんも槇も真っ直ぐな良い子ですし、本当に読んでいて気持ちの良いマンガです。
そして藍川の小悪魔っぷりに翻弄されつつも、もう藍川は藍川で良いかなとなんだかんだでまんざらでもなさそうな槇とか、二人の掛け合いといざという時の息のぴったりさ加減とか、なんかもう付き合っちゃえばよくね的仲良し具合とか、見ていて大変ニヤニヤできます。
それと同時に女装少年ものとしてもハイレベル。飴の話の二択から口移しへのコンボとか、海に遊びに行って二人になった時の話とか、3話ラストの展開とか、藍川の女にしか見えないけど実は男という設定を活かした話になっていて、凄くツボ抑えている感じ。しかも藍川は可愛いく描かれているのと同時に、良く見れば確かに男と言われてもそうかもなぁと思うギリギリラインに描かれていて、この作者は本気だ! と思ったのでした。
そんな訳で女装少年に翻弄されるドタバタコメディとしてとてもレベルの高いマンガだったと思います。続きが楽しみな作品です。お勧め!