とある科学の超電磁砲 4巻 / 鎌池和馬・冬川基

10月から始まったアニメ版も良い出来で、盛り上がっている超電磁砲の第4巻。同時刊行をしている禁書目録のコミックス版では既に語られている「妹達」と「実験」の話を、時系列をさかのぼって美琴の視点から描くものになっていて、今まで以上に本編とのリンクを感じるものになっています。
自分のクローンが街中に出没しているという、ある種突拍子もない噂を聴いてそれを調べ始める美琴。そしてついに出会ったミサカとの会話、渡した缶バッジ。そして始まる一方通行との「実験」。禁書目録を読んだ後の私としては、ミサカの作られた意味も、その先に待ち受ける運命も、結末も全てを知っているだけに、ぎこちなくて、でもどこか微笑ましい姉妹のようにも見える美琴とミサカのやり取りが読んでいて苦しくて、辛いものがありました。
ミサカが最期に伸ばした手、そして美琴の激昂で引くラストは次へが待ち遠しいものですが、そこにさえもきっと救いは無いことを読者は知っています。だからこそ、当麻の存在がどれだけ美琴にとって特別なものであったのか、禁書目録本編の妹達編に想いを馳せたくなるような一冊でした。