迷い猫オーバーラン! 1 / 松智洋・矢吹健太朗

迷い猫オーバーラン! 1 (ジャンプコミックス)

迷い猫オーバーラン! 1 (ジャンプコミックス)

マンガ担当が矢吹健太朗、ということで手にとった迷い猫オーバーランのコミカライズですが、これ以上無いくらいストレートに絆とか思いやりを描いた作品で面白かったです。
洋菓子店を舞台に、主人公の少年と店で働いたり拾われてきたりする女の子たちがドタバタを繰り広げる、いわゆるハーレム系なラブコメの構図ではありますが、恋愛関係というよりも家族的な絆に重きがおかれている印象。孤児という背景を抱えた主人公たち、忙しい両親に会えないお嬢様。不器用でそれぞれに孤独を抱えた少年少女たちが、寄り添いあう場所としてのストレイキャッツであり、彼らを繋ぐ無償の愛情や思いやりが描かれているところがとても良かったです。そして読んでいて思わずうるっと来るあたり、私はこういう見返りを求めない人の優しさ系の話に弱すぎる気が。
マンガとしてもコミカライズにありがちな説明不足や不自然な部分が無く、単独の作品として安心して読める感じ。相変わらず絵の可愛さは折り紙付きで、原作イラストのテイストを取り込みつつ自分のキャラクターにしているところは流石だと思いました。ただ、ToLOVEる的なお色気シーンはこの作品の雰囲気には要らないかなとも思ったり。
そんな感じで、読んでいて温かい気持ちになれるような作品でした。2巻以降も楽しみにしていようと思います。