青年のための読書クラブ 2 / 桜庭一樹・タカハシマコ

1巻を読んだ時も凄いと思いましたが、2巻を読んでも本当に素晴らしかったです。原作の魅力を持ちながら、タカハシマコらしさも感じる、完璧なコミカライズ作品になっていると思います。帯に最強タッグと書かれていますが、まさにその通り。
ほぼ丸一冊使って聖マリアナの秘密が語られる「聖マリアナ消失事件」を描いているのですが、原作の中でもとりわけ好きな話なのもあって、とにかく素晴らしいと感じました。大人と子供。青年と少女。真摯なようなとぼけたような雰囲気。どこまでが真実かの境界があやふやで、どこか幻想のような物語。砂糖菓子のような甘さと毒のような絶望。そんな桜庭作品の魅力を、タカハシマコの透明感のあって可愛らしい、けれどもその向こう側に確かに痛みを感じる絵で描かれたら、そんなもの魅力的にならない訳がないと思うのです。
フランスでの出来事を経た、聖マリアナの来日から失踪まで。わずか20ページと少しで描かれたそれに、奇妙な、私がどうしても逃れられない何かを感じた一冊。ここには、美しくてグロテスクで、甘美な絶望があるのだと思います。