よつばと! 10 / あずまきよひこ

よつばと! 10 (電撃コミックス)

よつばと! 10 (電撃コミックス)

描かれているのは本当になんでもない日常なのに、キャラクターの表情や間といった、その切り取り方が相変わらずもの凄く上手いです。
よつばの行動や言動は子供の頃の記憶に微かに刺激するような、確かにこういうこと言ったりやったりすると感じるもので、こういうところの描き方は凄いと思います。ホットケーキを上手く焼けなくて拗ねる様子とか、みうらの部屋でダンボーを見つけてしまったときのよつばの反応と何とかしようとする小学生二人とか、記憶の片隅でなんとなく知っているような光景。
そして、そんなよつばの周りの大人たちもみんな良い大人という感じで、それがこの素敵な日常を形作っているのかなと思います。特に今回は、嘘をついたよつばをとーちゃんが叱る話。頭ごなしに叱りつける訳でも、なあなあで許してしまうのでもない、とーちゃんの怒り方に良い親だなぁと思いました。
差し挟まれる笑いののキレも良くて、ただもう読めて幸せな気分になれる一冊。そして、とーちゃんと風香がどんどんお似合いに見えてきているのはきっと私だけではないはず……!