映画 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん

大人気ライトノベルが実写化!映画「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」のあらすじ
行ってきましたみーまー実写映画。ライトノベルだからイラストがあって、どうしても左イラストのイメージの強い作品なので、実写でどうなるのかと思うところもあったのですが、終わってみれば良い映画化だったと思います。
良かったところは、ストーリーや設定はちょこちょこと変えてあったりするのですが、みーまーという作品に対して脚本にも名を連ねている瀬田なつき監督が、すごく真摯にみーまーという作品に向きあって、それを自分なりに解釈して、実写映画という表現で創り上げた作品だというのを強く感じるところ。単に映像化してみましたではなくて、そういうところが見えたのがとても良かったと思います。
映画になって感じたのは、本当にこれがどうしようもない物語だということ。みーくんの一人称でフィルターがかかった原作に比べると、映像で明らかにそこにあるものは直球で、だから目のそらしようもない。むしろみーくんがどうやって目をそらしているのかが良く見える。この違いは大きいと思うのです。
わざとらしく嘘くさい学校生活やラブラブ生活の合間に差し挟まれる過去の映像。不穏な空気と、ファンタジックで浮世離れした空気が入り交じって、広がるのはポップで軽快なのに静かで狂った世界。そんな中で、ずっと死んだような表情をしているみーくんとただ単純に壊れたまーちゃん。その根源にある幼い頃の事件の容赦の無さ。
始まったときはもう滅茶苦茶に壊れていてどうしようもない、どうしようもない中で普通でもないのに壊れられてもいないみーくんが、嘘に嘘を重ねるようにしながら、そこに残っているはずの何かを探すような物語。観終わったときにその何かにちょっとだけ触れたような気がする、そんな映画でした。
それからみーくんという難しい役柄を演じていた染谷将太が凄く良かったです。表立っては何も見えないのに、みーくんが抱えているものが染み出してくるような感じでした。あと個人的には田畑智子の奈月さんがすごく好きだったり。