- 作者: 田中ロミオ,山崎透
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/02/18
- メディア: 文庫
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このシリーズの持ち味は、とぼけたようでいい性格をした私とゆるふわ妖精さんのほのぼのとした話に、あさっての方向に駆け抜ける想像力と隠しきれない黒さが加えられているところだと思うのですが、この巻はもうなんというかブラックなところが隠しきれないどころかダダ漏れで大変なことに。特に同類誌ネタはいろいろ黒くて危険がいっぱいな感じでした。あと鳥人類の方のこんにゃくのくだりとか飛ばすなーと。ゼリーにすると美味しそうだよね、うん……。
中身自体は相変わらず面白かったのですが、ネタが直球というか元ネタありきのものなので少し安直さを感じる部分も。でも、羽ばたき型から大砲型、果てはUFO型までなんでもありにふざけたアイデア満載の機体。その安全管理のいい加減さに、突然責任者にされた私が奔走する辺りの展開と、何の躊躇いもなく妖精さんのチート気味な技術力に縋り、最後まで頼りっぱなしだった私の私らしさがとても素敵。いい加減でロクでもない子なのに、自分の責任分野だけは無理してでもがんばっちゃう姿に謎のシンパシーが止まりません。
そして人類の過去の文化を調べる中でBでLな同人誌を発掘したがために、若い娘さん中心に一大ムーブメントが巻き起こる同類誌話は、笑っていいのかなんというか。でも、好きなもののために突っ走る真っ直ぐさは素敵だと思う……ような。そこからのコマの中に閉じ込められる話は、人気下降時の話が黒かったです。これまた、笑っていいのかなんというかなお話でした。