GUNSLINGER GIRL Vol.13 / 相田裕

GUNSLINGER GIRL 13 (電撃コミックス)

GUNSLINGER GIRL 13 (電撃コミックス)

事態は建造中の原発を占拠したジャコモ一派と社会福祉公社の総力戦へ。これまでの展開、そして表紙を見て覚悟はしていたのですが、ずっと聞こえていた終わりの足音がついに現実のものとなったような展開は読んでいてきついものがあります。もし義体に感情がなければと思ってしまうくらいのどうしようもなさ。なのに、感情を殺されたはずのヘンリエッタと、エゴを貫こうとしたジョゼに訪れる運命は、どこまでも人間らしいからこそ、やるせないものがありました。そしてトリエラとヒルシャーのペアを待ち受ける運命も。それならば、せめて彼女が幸せであればと思っても、その幸せ自体が一体何にもたらされたものかすら分からなくて、全てが何かの皮肉のようにも見えて。それでも尚、人の想いは尊く美しいと言えるのか、問われているような気分になる一冊でした。