少女幻葬ネクロフィリア 1 / カズミヤアキラ

悪魔と契約して亡くなった姉を屍体のまま蘇らせ、その体を維持させるため墓を荒らし屍体を喰わせる背教の神父。死んだ時の姿と精神のまま蘇り、後ろ暗い部分の記憶を持たない姉を隠しながら、バレないように墓荒らしを続けてきた彼が、だんだんと追い詰められていく様子が描かれていきます。初めから禁忌、成立し得なかったはずの幸福を維持しようと罪を重ね、姉を救えるという「ネクロノミコン」を求め、あたり前のように運命に追い詰められていく姿。背負った背景と姉の無邪気さととにかく可愛らしい絵のギャップ、親友の命と仮初めであるはずの姉の命の天秤、悪魔と契約した彼にとって敵となる異端審問官に幼馴染がなったりする趣味の悪さがまた。そんな感じに作者が作品に詰め込んだ趣味が、私の趣味とすごく合っていて非常に楽しめました。墓荒らしを調査しに来た法王庁の男と彼のつれている少女が、彼と姉にちょうど対応していて、しかも白黒のゴシック風ドレスで描かれる辺りもとても好みです。