魔法先生ネギま! 38 / 赤松建

魔法先生ネギま!(38)<完> (講談社コミックス)

魔法先生ネギま!(38)<完> (講談社コミックス)

ついに完結。最終巻ということで、ネギとクラスの面々の関係を整理しつつ主題はアスナとの別れという方向へ。親愛度MAXイベントを連続で見せられ続けるような前半の胸焼けのする感じは、10歳によってたかって迫るのもどうかと思いつつ、世界的英雄なんだからそれくらいどうにかしなさいと思わなくもなく。そして最後までエヴァが可愛かったの私は満足です。あと千雨の選択のそれっぽさがまた。そしてそこからのアスナとの別れは、王道だなあと思いつつ委員長との話でやられました。ちょっとこの親友関係はずるい。そしてアスナが眠ってからの待ち続けたあやかの話は、友情百合的に破壊力が大きかったです。
ただそこからの着地のさせかたは、ありといえばありですが、もやもやの残る感じ。終わらない日常的ストーリーであればその先を読者に任せるのは良いと思うのですが、ここまできっちりストーリーを描いてきて白紙の未来と多数の可能性を作品の中で明示されてしまうと、語ることを途中で投げ出されたように感じてしまいます。小出しにされる描かれない部分の設定や、クラスメイトのその後は確かにファン心理をくすぐるのですが、でもそれはちゃんと一つの歴史として描いて欲しかったなと。ハッピーエンドのように見えて実際のところ何も語られなかった、煙にまかれたという印象の残ってしまう最終巻でした。あくまで一旦終了ということなので、いつか続きがきちんとした形で読めることを期待しています。